「自然界が生み出した究極の活性物質である『毒』を、人類の希望に変える」。そんな壮大なミッションを掲げるVeneno Technologies。代表取締役の久野孝稔は、従来の創薬が直面していた壁を、独自のペプチドエンジニアリングで突破しようとしています。世界中のパートナーと共に、人・動物・環境の健康を一気通貫で守る「ワンヘルス」の実現を見据える、久野の情熱とビジョンに迫ります。
創業の原点:自然界の「毒」に多く含まれるDRP、その無限のポテンシャルを解き放つ
Veneno Technologiesの歩みは、自然界に対する深い敬意と、科学的な探究心から始まりました。久野が着目したのは、数億年という進化の過程で洗練されてきたクモやサソリなどの「毒(ヴェノム)」です。これらは特定の標的に対して極めて高い精度で作用する「天然の精密な分子」でありながら、その構造の複雑さゆえに、これまでの技術では合成や量産が困難とされてきました。久野は、この未踏の領域にこそ、既存の薬では治せなかった疾患を克服する鍵があると考えました。合成自体の難しさゆえ、「誰もが無理だと諦めていた複雑なジスルフィド・リッチ・ペプチド(DRP)を、研究で自在に操り、社会に実装する」。その確固たる決意が、Venenoの全ての活動の源泉となっています。
独自技術という「武器」:世界をリードするハイスループット・プラットフォーム「Veneno Suite」
久野が率いるVenenoの最大の強みは、自社で開発した圧倒的なスピードを誇るペプチド合成・スクリーニング基盤です。久野は、単なる研究に留まらず、それを「産業」として成立させるためのシステム構築に心血を注いでいます。従来の技術では数年を要した活性を持つ複雑なペプチドの創出を、独自のアプローチにより短期間で、かつ高品質に実現。このプラットフォームがあるからこそ、若手研究者たちは失敗を恐れずに数多くの「打席」に立つことができ、その試行錯誤の集積が、他社には真似できないノウハウを築いています。久野は、この技術を「世界中の英知と繋がるための共通言語」と位置づけ、自社開発のみならず、グローバルな製薬企業やアカデミアとの共同研究を積極的に推進。トップランナーとして、バイオテック業界の生態系そのものをアップデートしようとしています。

未来への展望:ワンヘルスの実現と、次世代へ繋ぐ科学のバトン
「私たちの挑戦は、単なる創薬ビジネスに留まりません」。久野が描く未来の地図は、人間の医療のみならず、動物の健康、さらには持続可能な地球環境までを包含する「ワンヘルス」の概念に基づいています。例えば、化学農薬に代わる環境負荷の低い農薬の開発など、DRPの応用範囲は無限です。久野は、自身がアカデミアとビジネスの両面を経験してきたからこそ、若手研究者たちが「自分の研究が世界を変えている」という手応えを感じられる環境づくりを最優先しています。多様な国籍や専門性を持つメンバーが、ひとつのテーブルで議論し、新たな価値を創造する。久野のリーダーシップのもと、Veneno Technologiesは、ひとしずくの毒から世界を癒やす「希望の光」となり、科学の力で100年後の未来をより良く変えていくための挑戦を続けていきます。