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Veneno Technologies

イオンチャネル、トランスポーター、GPCR等の膜貫通タンパク質を標的としたジスルフィドリッチペプチド医薬品の創製

Veneno Technologies社は、DRP中分子ペプチドの研究開発を加速し、先進的で持続可能な医療の確立に貢献できるよう、2020年7月に設立されました。

新着情報

はじめに

イオンチャネルやGPCRなどの膜貫通タンパク質は、最も重要な薬物標的の一つとして認識されています。
なかでもイオンチャネルは細胞や組織で基本的な役割を果たし、数多くの神経系疾患や、心血管系疾患、代謝性疾患、ならびに癌および免疫調節などとの関連性が知られています。

現在の医薬品市場には、「古典医薬」と呼ばれる最初の承認薬に続き、50年代前半から80年代前半にかけて、イオンチャネルを標的とする薬剤が急速に増加しました。しかしその多くは、オリジナル薬の化学構造を取り巻く「me too drug」や、段階的に機能や特性が調整された薬剤ばかりです。

こうした、製薬業界全体にわたり長く続けられてきた研究開発の努力は、革新的イオンチャネル薬の創出につながるはずでした。しかし、これら取り組みは概ね低分子に注がれ続け、残念ながらこうした努力からもたらされた新薬はほとんどありません。

一方、自然界は、ペプチドなどの生物製剤が、強力なイオンチャネルの標的薬と成りえることを、既に実証しているのです。 つまり太古から有毒動物はイオンチャネルを標的とし、その機能を抑制もしくは活性化できる強力で選択的なペプチドを無数に開発・進化させてきたことを、我々はようやく理解しつつあるのです。
我々はこの伝統的に重要なイオンチャネルに対し、次世代創薬基盤技術であるジスルフィドリッチペプチド(DRP)と、最先端のDRPスクリーニング技術PERISS™法で挑戦します。

独自技術の概要

我々はDRP分子の実用化を可能にする包括的な3つのコアテクノロジーを開発しました:

  1. 圧倒的なDRP遺伝子型ライブラリ
  2. 新しいDRPハイスループットスクリーニング技術PERISS™
  3. DRP量産技術

DRPとは?

ジスルフィドリッチペプチド(DRP)と呼ばれる分子は、毒液の主要な成分です。 DRPは、分子内の複数のジスルフィド結合から構成されるユニークな「結び目」構造を持ちます。そのような堅固なフレームワークにより、DRPは、特に直線状ペプチドと比較して、pH、熱、酵素に対して高い安定性を持っています。 また毒液と同様に、DRPは、様々な神経受容体やイオンチャネルに対し高活性で高選択的な生理活性ペプチドです。 このような魅力的な特性により、DRPは創薬と開発の次世代モダリティであると考えられています。

PERISS™ Technology

PERISS™は、進化的分子工学に基づく新しいスクリーニング方法です。 私たちはすでに、10億ものDRPバリアントをコードするプラスミドDNAからなる、DRPライブラリを確立しています。
当社ライブライのメリットは単にそのサイズだけではありません。毒の主成分として進化した天然DRPが持つイオンチャネルなどの膜貫通タンパク質に対する優れた生物活性を利用するため、天然DRPの特殊構造を鋳型としたDRPライブラリを作成しています。 従って、従来のランダム配列ライブラリよりもはるかに高い確率でイオンチャネルに作用する新規の活性分子を作り出すことが可能です。

PERISS™サイクルでは、DRP遺伝的バリアントは表現型として分子選択を受け、このサイクルを繰り返すことで、目的のDRP候補を短時間で効率的に取得できます。プラスミド不和合の特性を用い、PERISS™法では、1つの大腸菌が1つの反応場として働き、1種類のプラスミドから翻訳される1種類のDRPバリアントを標的膜タンパク質に対する親和性として選別することができます。このことにより、10億のサイズのライブラリでも、数十億の大腸菌を含む1本のフラスコで迅速かつ簡便にスクリーニングを行うことでき、革新的なHTS法と言えます。

mRNAディスプレイおよびファージディスプレイは、最も一般的に使用されるタンパク質スクリーニング方法ですが、DRP分子のスクリーニングには適していません。
当社のPERISS™法は、大腸菌のペリプラズム空間を用いる独自のテクノロジーで、細胞質で翻訳されたDRP分子はこの空間で正しくSS結合が構築され、結び目構造を有するDRP分子が作成されます。更に大腸菌の脂質二重膜上に完全長の標的膜タンパク質を同時に発現させることが可能です。 当社のPERISS™法は、DRP分子およびターゲット分子にとって理想的なソリューションであり、最も優れたスクリーニング方法です。

我々の技術はイオンチャンネルにのみ特化した技術ではありません。既に、様々なヒト膜貫通タンパク質を我々のシステム上に発現できることを確認しております。我々は、GPCRをはじめとする様々な膜貫通タンパク質をターゲットとする準備ができています。

DRPの大量合成システム

生物活性のあるDRPを製造するには、分子内に複数あるSS結合を正しく構築し、ペプチドを正しく折りたたむ必要があります。しかし、標準的手法である化学合成を用いて、しかも大量に製造することは困難で、高額な費用がかかり、DRP創薬における研究開発が進まない大きなハードルの一つとなっています。
我々は、この重要な課題に対し、大腸菌を用いた新規の大量生産法を開発しています。
大腸菌を用いることには、次の利点があります:

  1. 医薬品製造で多くの実績がある(組み換えインスリン、ヒト成長ホルモン、インターフェロン、サイトカイン類、抗体医薬など)
  2. 動物細胞や酵母に比べ、増殖速度が速く、安価な培地で生育でき、生産性に優れている
  3. 大腸菌ペリプラズム空間を用いることで、DRPなど複雑な構造のペプチドを正しい構造で発現できる

加えて、ペプチドを大腸菌膜外 (培養上清) へ分泌する手法を大手化学企業と共同開発しており、既にDRPを低コストで大量に製造する技術に目途をつけ、GMP製造を考慮した製造方法を検討中です。

当社のビジネスモデル

膜タンパク質(各種チャネル/トランスポーター/GPCRなど)を標的分子とするペプチド医薬品開発事業として、2つの事業モデルを展開します:

  1. Drug Discovery Partnering:当社のスクリーニングプラットフォーム技術を使用して、オーダーメイドで設計されたペプチドを提供
  2. In-house pipeline: 社内パイプラインとして研究開発を進め、製薬会社へのライセンスを目指す

参考文献

Screening Techniques Using the Periplasmic Expression of Peptide Libraries and Target Molecules, Kimura, T., Journal of Bioanalysis & Biomedicine, Vol. 9(5):263-269 (2017)

High Proteolytic Resistance of Spider-Derived Inhibitor Cystine Knots, Kikuchi, K. Sugiura, M. Kimura, T., International Journal of Peptides, Vol. 2015: Article ID 537508 (2015)

The application of the Escherichia coli giant spheroplast for drug screening with automated planar patch clamp system, Kikuchi, K. Sugiura, M. Nishizawa-Harada, C. Kimura, T. Biotechnolgy Reports. Vol. 7:17-23 (2015)

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